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My Mix Tape

自分の好きな曲紹介ブログ。90年代R&B中心デス。普通の日記は移転しました。プロフィールをご覧ください。

★通常の日記は 「こはくの日記」 に移動しました★

氷の宮殿

読書 日記

スコット・フィッツジェラルドが書いた「氷の宮殿」という短編が好きだ。

中学生くらいから幾度となく読み返したけれど、いつ読んでも新鮮に感じる。

 

「氷の宮殿」の内容をざっと言うと…

 

アメリカ南部に住む若く美しい女の子が北部出身の青年と出会い恋に堕ちる。

青年との出会いは

生まれ育って何もかも知っている土地

幼いころからの気心が知れた「いつメン」

居心地が良いけれど飽き飽きしているそれらから彼女をひっぺがし、

新しい世界に誘ってくれる出来事だった。

女の子は若く美しく自信に満ち溢れ、冒険心と万能感に導かれるまま

青年の出身地である北部へ挨拶がてら婚前旅行に行くのだが…

 

と、こんな感じ。

作者スコットと妻ゼルダの関係に似ている。

で、詳しくは読んで欲しいんですが、若い頃からこれを読むたび

 

「そうだよな。生まれ育った土地で気質って違うよな。」

 

としみじみ思っていた。

気候や風土や地形が何十年何百年とかけて土地の人間の性格を作り上げていくのだ。

世界に全く同じ人はいないけれど、同じ土地に育った者同士と、別の土地で育った者とではその差異が大きく異なるだろう。

 

私はそんな事をすっかり忘れ、全く気候風土の異なる土地出身の旦那と結婚してしまった。

しかも氷の宮殿のサリー・キャロルのごとく、

「もしかしたら自分もあちらで住む事があるかもしれない!」

とワクワクしたりして。

見知らぬ土地での新しい生活をむしろしてみたいと思った。

 

が、旦那の出身地に転勤で住んでいる人たちの掲示板を読み、我に返った。

太平洋側出身の人たちが悉くホームシックにかかっている。

よく考えたら旦那自身も故郷の雨にうんざりして関東に出てきた人なのだ。

そこでやっと「氷の宮殿」を思い出し、この結婚は大丈夫なのだろうかと不安に思った。

 

で、もうなんだかんだ13年くらい平穏無事に夫婦でいます。

だけどそれは私のホームグラウンドで生活しているからだと思う。

旦那の出身地も素敵な所。

しかし、もし向うで暮らしたらサリー・キャロルのように

「今すぐ帰る!!!」

と叫んでいただろう。

 

小説としてはイマイチという評を良く見る「氷の宮殿」。

でも南部の生暖かい空気や北部のピリッとした空気が本当に感じられるかのような美文だし、なんか自分には刺さるんだよね。

 

 

 

マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)

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フィツジェラルド短編集 (新潮文庫)

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